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| はじめての法律勉強法
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それでは,実務家になった後,具体的にどのような場面で民法の知識を使うのでしょうか.
ここでは宅建主任者を例に説明しましょう.
●宅建主任者の業務内容
宅建主任者の業務内容は,(1)「重要事項の説明」をすること,(2)「重要事項の説明書」(35条書面)に記名・押印すること,(3)「契約書」(37条書面)の記名・押印をすることの3つしかありません.
| (1) |
不動産に関わる知識を持たない一般人に対し,アドバイスやトラブルを回避するために,契約前に重要な情報を説明することで, |
| (2) |
(1)の重要事項の説明にあわせて,重要事項の内容を説明した書面に記名・押印をして,交付すること, |
| (3) |
契約当事者の合意内容を記載した書面(契約書)の内容に間違いがないか確認して,記名・押印するというものです. |
要は,不動産の契約に関わる重要な役割を担っていることはおわかりいただると思います.
●どんな質問がなされるかは事前にはわかりません
重要事項の説明といっても,当然,一方的に説明すればすむというものではありません.説明中,適宜なされる質問に対して法律素人にもわかりやすく説明しなければなりません.どんな質問がなされるかは事前にはわかりません.
例えば,「えーと,確かチラっと聞いたことがあるんですけど,引渡し前に火事になって家が燃えちゃったら,代金は払わなくていいっていうのは本当ですか?」といった感じですね.
さて,この人は,何について質問しているのでしょうか.この人の質問を法律的に言い換えると「本契約では,危険負担はどうなっているのか」ということになります.危険負担とは,契約成立後引渡し前に,当事者の責に帰することなく,契約の目的物(この場合は「家」ですね)が滅失,又は損傷した場合に,それによる不利益(この場合は燃えた家の売買代金ですね)を誰が被るかという民法に規定された問題です.
民法では,不動産のような特定物売買による危険負担は買主が負担することになっています.これを「債権者主義」といいます.つまり,買主は,火事で焼けてしまった家の代金を払わなければならないのです.
しかし,民法は任意規定が多く,本規定も任意規定です.従って,当事者間で合意の上,民法の規定とは異なる特約をもうけてもまったく問題ありません.つまり,当事者が合意の上,危険負担を売主が負担する,つまり,買主は代金を支払わなくてもよい特約を設けても,有効です.これを債務者主義といいます.実は不動産売買においては,この債務者主義の特約を設けているケースが非常に多いのです.従って,そういった特約があれば,この人のうる覚えの知識は正しい,ということになるわけですね.
●実務はさらに厳しいもの
宅建主任者たる者,当然,本契約で債務者主義の特約があるかどうかをチェックした上で,こういったことをスラスラ答えられなければなりません.もちろん,今はたまたま危険負担を例にしましたが,その他の事項も同様です.ここからみても,試験に出るテーマだけ勉強しておけばいいや,という考えは通用しないことがおわかりいただけるかと思います.もう一度,「民法は私法の一般法である」という定義を肝に銘じる必要があるというわけです.
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