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1.定義
弁済の提供とは,債務者が約束の内容を実現するために必要な準備をして,債権者に弁済の受取りを求めることをいいます.この弁済の提供が有効になるための要件について規定しているのが493条です.493条には,弁済の提供が有効になるためには,@債務の本旨に従った,A現実の提供,又は,口頭の提供が必要だ,としています.
現実の提供とは,債権者が目的物をただ受け取るだけでそれ以外は何もしなくてよいほどの提供を債務者がする場合をいいます.ただし,債権者があらかじめ受領を拒んだとき,又は,債務の履行につき債権者の行為を要する場合は,口頭の提供で足りる,としています.
口頭の提供とは,債務者が,現実の提供をするのに必要な準備を完了して,債権者にその受取り(受領)を催告することをいいます.口頭の提供となるための要件は,@現実の提供をするのに必要な準備を完了すること,Aそれを債務者に通知して,受取りの準備をしてもらうこと(受領の催告)の2点です.
2.具体例
話が抽象的になってしまいました.具体例をあげましょう.
現実の提供とは,債権者が目的物をただ受け取るだけでそれ以外は何もしなくてよいほどの提供を債務者がする場合でした.これは,代金を相手方の所へ持参して支払うと約束している場合,約束の場所に代金を持参し,「代金です.どうぞお受取りください」と目の前に示す(=提供する)ということです.対して,債務者が,現実の提供をするのに必要な準備を完了して,債権者にその受取り(受領)を催告することを口頭の提供といいました.これは次のような場合です.あなたがCD屋さんで,あるCDを注文して,「入荷次第連絡ください」というケース,こういうことはよくありますね.するとCD屋さんは当該CDの発注をかけるわけです.で,お店に入荷次第,あなたに引き渡す準備をして,その上で,あなたに「ご注文いただいたCDが入荷しました(=準備ができました)ので,ご都合のよろしい時にご来店ください」などと連絡(=通知,受領の催告)をするわけです.この準備と通知で口頭の提供が行われたことになる,というものです.
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