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| 第19回 「遺言・遺留分(家族法2)」 |
平成17年(2005年)度宅建試験問12( 問題文表示) |
12.結局正解肢は何か
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■最終的な肢の絞り方
さて,以上ですべての選択肢の検討が終わったわけですが,結局,すべての肢を検討しても,スパッと正答を一つに絞ることができませんでした.こういった場合,どうするか,という問題があります.
このような場合,やはりより確定的な肢を落としていくしかありません.本問の場合,選択肢1・2・4は必ず「誤り=×肢」と判断でき,選択肢3を「保留=△肢」扱いとしました.従って,こういった場合,試験中はやはり選択肢3を解答しておくしかないでしょう.ポイントは,このようなあいまいな問題に時間を使いすぎることなく,むしろ皆が得点するような,固い問題を落とさないようにすることに時間を使った方が賢明だということです.
ところで,選択肢3について少し補足しておきます.
本肢で判断を保留した理由は,肢では「前の遺言のうち後の遺言と抵触する部分は,後の遺言により取り消したものとみなされる」という表現なのに対して,1023条の条文は「後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」という表現になっており,「取消」と「撤回」の意味の違いは大きいからでした.
本肢がこのような表現になったのは次のような事情が考えられます.というのは,もともと「取消」と「撤回」の違いは,講学上の問題で,条文の表現自体は必ずしも両者を使い分けたものにはなっていませんでした.その上,明治時代にもとが作られた改正前の民法では,遡及効の「取消」の場合はもちろん,将来効である「撤回」の意味の場合も,一律「取消」という表現が使われていたのです.事実,本肢で問題となっている1023条1項においても,「後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」という「撤回」という言葉が使われるようになったのは,平成16年(2004年)の民法改正からでした.それまでは,「前の遺言と後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を取り消したものとみなす」となっていたのです.さらに,条文の表現がこのようになっていた時も,「ここにいう『取消』は『撤回』の意味で使われている」と考えられていました.
こういった事情を考えると,本問の問題としての是非はともかく,やはり本問の正解肢は選択肢3と判断してよいと思います.
皆さんは,試験場では,とにかく肢を一つに絞り,答えを出さなければなりません.試験中は,問題の是非を考える時間があったら,とにかく答えを絞ることを考えた方がよいでしょう.その際,とにかく決定的に「誤り=×肢」(誤り=×肢を答える場合は,決定的に正しい=○肢)
を落としていくことがポイントです.
こういったケースもないことはない,ということも覚えておいてください.
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さて,今回の講義は以上です.今回も家族法についてのお話でした.今回は,正答を絞りにくい問題でしたが,こういった問題が出されても決して焦ることなく,落ち着いて処理していくようにしてください.慌てると間違えなくてもよいところで間違えてしまうからです.
それでは,以上で今回の講義を終わります.
お疲れ様でした.
さて,次回はいよいよ最終回です.第20回は8/29の更新となります.今までの総復習といった意味もこめて,テーマは,「総合問題(民法総合)」としました.後1回,お付き合いください.
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