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ご覧の通り,初めて条文に接した方にはちょっとわかりにくい日本語ですね.さっそく説明しましょう. 「意思表示は,表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても,そのためにその効力を妨げられない.」 ■文の骨格「意思表示は,〜効力を妨げられない(=有効だ)」 ■では,どういう時有効かというと, つまり,「表意者(=意思表示をする者)が真意ではない(=嘘である)ことを知って,(意思表示を)したとき」となります. 以上をまとめると,「表意者(意思表示をする人)が(自分で自分の意思表示が)嘘だと知って意思表示をしても,(その意思表示は)有効だ」となるわけです. ■ちなみに,93条のような「意思表示は,表意者〜妨げられない.ただし,相手方が表意者の〜無効とする.」といった構造の場合, 最初の「意思表示は〜妨げられない.」という一文を「本文(ホンブン)」, 次を見てみましょう.但書ですね. 「相手方が表意者の真意を知り,又は知ることができたときは,その意思表示は,無効とする.」 これは,取引の相手方が,表意者の真意,つまり,本当に売る気があるのか,ないのかを知っていたり,当然知ることができる状況にあった時は無効だ,という意味です.真意を知っていた時はもちろん,無効ですが,例え知らなくても,知りうる状況であれば無効だ,という点おさえてきましょう. 以上を続けてみましょう. 「表意者(意思表示をする人)が(自分で自分の意思表示が)嘘だと知って意思表示をしても,(その意思表示は)有効だ.ただし,取引の相手方が,表意者の真意,つまり,本当に売る気があるのか,ないのかを知っていたり,当然知ることができる状況にあった時は無効になる」となります. これを法律的にまとめると, 表意者が自分で嘘だとわかってする意思表示である心裡留保は,原則有効である.しかし,相手方が表意者の真意を知っている,つまり悪意の時,あるいは知らない=善意でも,当然知ることができる状況なのに知らなかったというように過失がある時,すなわち「悪意・善意有過失」の時は無効である,となります. すると,「相手方が悪意もしくは善意有過失であれば無効」ですから, 以上のような経緯で,民法の解説書に書いてある「心裡留保は,原則相手方が善意無過失であれば有効,例外として相手方が悪意もしくは善意有過失であれば無効」という記述にたどり着くわけです.
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