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「権利能力(ケンリノウリョク)なき社団(シャダン)」とは,社団法人と同様の実態をもち,同じような活動をしているが,法人格が認められていない,つまり,法人とはなっていない団体のことです.従って,「法人格(ホウジンカク)なき社団(シャダン)」ともいいます. 社団(シャダン)とは,人の集まりのことでした.対して,財産の集まりが財団(ザイダン)でした.それはともかく,社団には,確かに公益法人とか会社といったように権利能力のある人の集まり=社団もあります.ただし,人の集まりだからといって,必ず権利能力があるというわけではありませんね.例えば地域のコーラスサークルであるとか,町内会等は人が集まっていますから,社団といえましょう.しかし,権利能力はありませんから,法人ではないわけです. ちなみに「権利能力」の意味は大丈夫でしょうか.権利能力(ケンリノウリョク)とは,権利義務の主体となることができる資格のことです.ところで,民法上「人」とは,自然人と法人に区別されることはご承知の通りです.自然人の場合,原則権利能力は,出生とともに取得し,死亡とともに喪失します.対して,自然人以外の人の集まりや財産の集まりでも,法律上権利能力を持たせることにしたのが,「法人」なわけです.権利能力があると,権利義務の主体となることができますから,自分の名前で契約を結んだり,会社を設立したりすることが可能なわけです.従って,人であればあまねくこれらの行為が可能だ,ということになります.もしも,「それでは,赤ちゃんが契約を結んだり,会社をつくったりすることができるのか」と御思いの方がいらっしゃったとしたら,今,すぐに民法総則の復習をしてください.「意思能力」「行為能力」といった概念の整理をしましょう.ここでは話が飛びすぎますので,これら概念の説明は割愛します. 話を戻しましょう.権利能力なき社団は文字通り権利能力がないわけです.ですから,例えばA町内会が寄り合い用に部屋を借りたとしましょう.この場合,A町内会が法人であれば,「A町内会」という名前で部屋の賃貸借契約を結ぶことが可能です.しかし,A町内会は法人ではありませんから,「A町内会」名義では契約を結ぶことはできません.このため,自然人である代表者が,自分が主体となって賃貸借契約を結ぶことになりましょう.すると,代表が変わったらどうなるのか,といった問題が発生します.代表者が変わるたびに契約をやり直していたのでは,あるゆる意味で非効率的ですね.このように「権利能力なき社団」も社会において活動しているわけですから,その際に様々な財産関係が発生します.すると,それらをどのように処理するか,という問題が起きるわけです.これが,「権利能力なき社団」にからむ問題点です.
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