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第18回 平成14年(2002年)度行政書士試験問題30(問題文表示

1.テーマ 「親族<親子>(家族法1)」

 皆さん,こんにちは.第18回講義を始めます.
 今回から家族法に入ります.家族法1回目の今回は親族法から「親子」をテーマにお話します.もちろん,いつものようにある程度の基本事項は説明しますが,例によって基本中の基本事項については既に習得済が前提ですので,自信のない方は毎度のお話ではありますが,まずは復習から始めることをお勧めします.

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 とはいっても,これからお話を進める上で,最低限知っておいていただきたい知識というのもあります.そこで,以下に基本中の基本のそのまた基本ともいうべき事項についてまとめておきますので,しっかりチェックしておいてください(もちろん,ご存知の方は飛ばしていただいても結構です).

■親族関係概論
 まず,「親等」という用語をおさえてください.「親等(シントウ)」とは,親族関係の濃淡遠近を表す単位です.親子一代が単位1です.つまり,自分を基準に考えて,父親母親が1親等,おじいさんおばあさんが2親等,曾おじいさん曾おばあさんが3親等といった具合です.同様に自分を基準に子どもが1親等,孫が2親等,曾孫が3親等です.
 さて,この例で「父母→祖父母→曾祖父母」といった自分より年上グループ「尊属(ソンゾク)」「子ども→孫→曾孫」といった年下グループ「卑属(ヒゾク)」というのです.では,自分を中心に尊属と卑属を世代順に並べてみましょう.「曾祖父母→祖父母→父母→自分→子ども→孫→曾孫」とまるで1本の線で繋がったように各世代が揃いましたね.この縦の流れを「直系(チョッケイ)」というのです.
 ここで「縦の流れ」という言葉が出てきましたので,次に「横の流れ」ともいうべき関係をみてみましょう.兄弟姉妹(ケイテイシマイ)のことです.これを「傍系(ボウケイ)」といいます.傍系の場合は親等の数え方もちょっと違います.一方から共同の始祖に遡り,他の一方に下がるまでの世代数を数えて求めることになります.言葉で書くと非常に複雑なのですが,実際にやってみると簡単です.具体例を挙げましょう.あたなとあなたのお姉さんは何親等でしょうか.「一方(あなた)から共同の始祖(あなたの御両親)に遡り,他の一方(あなたのお姉さん)に下がるまでの世代数」ということになります.「あなたから共同の始祖(御両親)」に遡って1世代,「共同の始祖(御両親)からあなたのお姉さん」に下がって1世代,1世代+1世代で合計2世代,つまり2親等が正解です.もう一つやってみましょう.あなたとあなたの伯母さんは何親等でしょうか.同じように考えます.「一方(あなた)から共同の始祖に遡り,他の一方(あなたの伯母さん)に下がるまでの世代数」となりますが,問題は「共同の始祖」です.「伯母さん」というのは,あなたの御両親どちらかのお姉さんですから,あなたの御両親は兄弟姉妹の関係にあたり,「始祖」ではありません.この場合,「共同の始祖」とは,あなたの御両親のどちらかとその人のお姉さんである人の両親,つまりあなたにとって「祖父母」にあたる人になるのです.つまり,「一方(あなた)から共同の始祖(あなたの祖父母)に遡り,他の一方(あなたの伯母さん)に下がるまでの世代数」ということです.すると,あなたからあなたの御両親へいって1世代,あなたの御両親からその御両親,つまりあなたの祖父母にいって1世代,ここまでで2世代ですね.そして,あなたの祖父母からあなたの伯母さんに下がって1世代,合計3世代ですから,あなたとあなたの伯母さんの関係は,3親等ということになるのです.できましたか?
 ちょっとここまでの登場人物を整理してみましょう.「曾祖父母・祖父母・父母・自分・子ども・孫・曾孫・兄弟姉妹・おじおば・おいめい」といったところでしょうか.皆さんは,この登場人物に共通する性質が分かりますか?それは,血の繋がった仲,ということです.この「血の繋がった仲」のことを「血族(ケツゾク)」というのです.
 ところで,夫にとっての妻,妻にとっての夫,配偶者は何親等でしょうか?いかがですか?実は配偶者に親等はありません.配偶者は配偶者ですからこの点,おさえておいてください.
 今,血族の話を中心に進めましたが,あなたの配偶者にもあなたの場合と同様に祖父母・父母・兄弟姉妹・おじおばといった関係の人がいるはずですね.これらの人々とあなたやあなたの親族はもともと他人でした.しかし,あなたとあなたの配偶者が婚姻したことによって親戚関係になったわけです.このため,あなたの配偶者の父母・兄弟姉妹をはじめ親戚の人たちは,あなた方の「婚姻」によって親族になったということで「姻族(インゾク)」と呼ぶのです.

■親子関係概論
 加えて,親子関係に関する基本事項もまとめておきましょう.
 「子」は,実子養子に分かれます.実子(ジッシ)とは,自然血族関係に基づき,養子(ヨウシ)とは,法定血族関係に基づきます.実子は,さらに嫡出子と非嫡出子に分かれ,養子は,普通養子と特別養子に分かれます.

●実子
 嫡出子(チャクシュツシ)とは,婚姻関係にある男女間に懐胎・出生した子をいいます.従って,非嫡出子(ヒチャクシュツシ)とは,法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子のことです.非嫡出子は,法定相続分が嫡出子の2分の1になっています(900条4号但書).母と非嫡出子との親子関係は,通常,分娩の事実により発生しわかりやすいのですが,父と非嫡出子との親子関係は認知(ニンチ:父が自分の子と認めること)により発生します.
 認知(ニンチ)には,民法上,父が認知届を出すことによって行う「任意認知」と,任意認知のない場合に,子から父に対して行う強制認知(認知の訴え)があります.いずれにせよ,この認知があってはじめて父との間に親子関係が生じ,通常,親子関係に認められる全部の効果が発生することになっています.
 一方,父母の婚姻を原因として非嫡出子が嫡出子となる準正(ジュンセイ)という制度も規定されています.この準正には,認知された子の父母が婚姻する場合(789条1項)婚姻準正(コンインジュンセイ)父母の婚姻後,子が認知された場合(789条2項)認知準正(ニンチジュンセイ)の二つがあります.
●養子
 普通養子(フツウウヨウシ)とは,養子縁組(ヨウシエングミ)によって養親(ヨウシン)の嫡出子としての身分関係を取得する(809条)制度です.この縁組が行われると,養子と養親の間に親子関係が生じるのはもちろんですが,養子と養親の血族との間にも親族関係(法定血族関係)が生じます(727条).ただし,実親との親子関係は存続します.
 特別養子(トクベツヨウシ)とは,特別養子縁組により,原則として,6歳未満の幼児につき,実親による監護が著しく困難である等の特別な事情がある場合に,実方との親子関係を断絶し,実体的な法律関係のみならず,戸籍上も普通養子とは異なった特殊な処理がなされる制度をいいます.

 以上が親族関係の基本中の基本のそのまた基本です.お分かりいただけましたか.

 続く


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  4-A. 重要判例
最判昭25.12.28, 最判昭50.4.8
  4-B. 重要判例 最判昭53.2.24
5. 再び選択肢1を見る
6. 選択肢2を見る
  6-A. 民法776条【嫡出の承認】
(付 772条,774条,775条)
7. 再び選択肢2を見る
8. 選択肢3を見る
  8-A. 民法772条【嫡出の推定】
  8-B. 重要判例
最判昭44.5.29, 最判平10.8.31
9. 再び選択肢3を見る
10. 選択肢4を見る
  10-A. 民法780条【認知能力】
11. 再び選択肢4を見る
12. 選択肢5を見る
  12-A. 民法787条【認知の訴え】
  12-B. 重要判例 最判昭37.4.10
13. 再び選択肢5を見る

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