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■心裡留保,錯誤,虚偽表示の正確な概念把握 ■心裡留保
前半部をわかりやすい表現におきかえると,下記のようになります. よろしいでしょうか,皆さん,「表意者(意思表示をする人)が(自分で自分の意思表示が)嘘だと知って意思表示」をすることが心裡留保で,心裡留保の場合は,その意思表示は有効だと規定しているわけです.「表意者(意思表示をする人)が(自分で自分の意思表示が)嘘だと知って」いる状態というのは,要は,表意者Aが甲という土地を売る気がさらさらない(内心的効果意思)のに,以前より甲地を欲しがっていたBに「甲地を売ってあげよう」言ってしまう(表示)ことで,当然,表意者Aは,自分では甲地を売る気が全然ないのに,「売ってあげよう」と意思表示したことを知っています.つまり,「心裡留保は,表意者が内心的効果意思と表示とが一致しないことを知っている」とする本肢のこの部分は正しい,といえます. ■錯誤
例によって,前半部をわかりやすい表現に改めると下記のようになりました. 「意思表示は,契約等の重要な部分(=要素)に錯誤あった場合は,無効とする.」 錯誤とは,勘違いのことでした.「近々に地下鉄が通る予定だと聞いて,当該土地を購入したが,地下鉄が通るというのは勘違いだった」というのが,典型例です.この場合を考えてみると,内心的効果意思は,「近々に地下鉄が通る予定のこの土地を購入しよう」ということになるわけです.しかし,この「地下鉄が通る予定」というのが,表意者の勘違いなわけですから,この表意者が「この土地を購入します」という表示は,表意者以外の人には,「この地下鉄が通る予定なんかない土地を購入します」と聞こえるわけですね.そういった意味で,内心的効果意思と表示は不一致です.しかも,表意者の勘違いに起因していますから,この不一致について表意者は,まだ知らない,ということになりますね. ■虚偽表示
例によって,第1項をわかりやすい表現に改めると下記のようになりました. 「相手方と通じてした虚偽の意思表示は,無効とする」,要は,表意者と相手方が通じて,つまり通謀して=グルになってした嘘の意思表示は無効だ,というわけでした. 虚偽表示とは,別名「通謀虚偽表示」と言って,二人がグルになって,嘘の表示を行うというものでした.典型的な具体例は,「借金取りから逃れるために,AがBに頼んで,自分の唯一の財産である土地について,A−B間に仮装売買を行う」というものでした.そういった意味で,売る気もない自分の土地を売ると表示していますから,心裡留保に似ています.しかし,両者の決定的違いは,虚偽表示には,グルの仲間のBがいるところです.すると,先に検討したように,心裡留保も虚偽表示も,内心的効果意思(土地を売る気はない)と表示(その土地を売ろう)は,不一致で,かつ,その不一致を表意者が知っている(虚偽表示では,グルの相手Bも知っています)ということになります.
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